◯独白 誰だって大切なものは失いたくないから、それを守ろうと必死になる その大切さを理解しているほど、そこにかける時間やコストは必然的に大きくなるだろう けど、運命は時に非情で、どれだけ気を張ってもひょんなことでその幸せは簡単に終わりを迎える…
◯独白 かの有名な脚本家、ウィリアム・シェイクスピアは言った 「この世界は一つの大きな舞台で、人間は何度でも何者にもなれる役者である」と つまり、物語の多くは人から始まり、人が面白くする、ということだ 世界中を旅して回る中で俺ーー出水桐谷は幾度…
◯独白 幸せの形は人それぞれだが、それを得るために奮闘する人もいるし、元から持っていた人もいる しかし、両者に共通して言えることがたった一つだけある 即ち、幸せの崩壊があまりにも簡単であるということだ 生まれ持った幸福に肖っている人ほど、その価…
◯独白 出会って数秒から数分で人の第一印象は決まるらしい 印象を決める要因は様々だ 例えば身嗜み、身長、体型、姿勢、声音、そしてーー顔 俺ーー宍戸亮馬はこの仏頂面でかなり損をしていると思う お陰で思春期以降は恋人は愚か、あまり仲の良い存在などで…
◯独白 世に出ているメロドラマは全ての人に当てはまるわけではない 好きでもなかった人と何らかの理由で結婚して案外上手くいくこともある 最初からこの上なく愛し合ったのに些細なすれ違いで衝突で別れることもある 或いは望みの高さ故にそもそも誰とも関係…
◯独白 大義を成すために大小多くの苦難を乗り越える必要があることは至極当然の道理だ 例えば、テストで高得点高順位を獲得するために血の滲むような量の勉強をすること 例えば、大事な商談を成功させるためにアイデアを何度も推敲すること 例えば、恋人を作…
◯独白 人々は往々にして他者の才を妬むもの 自分が苦労して漸く手に入れるようなものが、所謂天才と呼ばれる人物にとっては何でもない道端の石程度のものだったりもする 私もまた、その天才と呼ばれる内の一人だった 九歳のころ、周りの子供達が剣の素振りを…
◯独白 最近の流れと比較すると、俺にはそこまでの人気はなかった それでもよかった いつも近くにアイツらがいたから 毎晩のように馬鹿騒ぎして、大笑いしあった 全て上手くいく、幸せな日がずっと続くと信じていた ーー壊したのは他でもない俺だった 俺の一…
〇独白 男性のモテる条件は年代によって変わるものだとはよく聞く話だ 小学生なら足が速い、中学生なら不良、高校生なら優等生、大学生ならグループの中心的存在、そして社会人になれば経済力へと変化していく 自分で言うのも聊か恥ずかしい話だが、僕の高校…